食べられる庭 ~ Edible Garden 7

edible_weeds_lambs_quarterシロザ(Chenopodium album)を、最も便利で優秀な食べられる野草というアメリカ人は多い。メイン州立大学のサイトにも、食べられる野草として紹介されている。もともと食用としての長い歴史があり、ナバホなど、ネイティブアメリカンの食物のひとつだったらしい。いろいろな英名があり、Lamb’s-quarters、pigweed、 goose foot、 wild spinachなどと呼ばれている。

シロザの強みは、土を選ばずどこにでもあり、 続きを読む

食べられる庭 ~ Edible Garden 6

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©William Ash

Part5の食べられるクローバーの続きだが、シロツメクサ (Trifolium repens)も、花も葉も食べられる。ただし、葉はかなり苦い。乾燥させた葉をベイキングにつかうと、バニラのような風味をくわえることができるらしいが、まだしたことはない。シロツメクサの花のハーブティーは、とてもおいしい。クローバーの花のお茶の味比べをしたのだが、庭にある他の黄色や赤のクローバーの花よりも、ずっと甘いテーができた。今年は、この花のシロップを作ろうと思う。

ただ傷がつくと、猛毒のシアン化合物を合成することがあるらしいので、ちょっと怖い。新鮮で完全なものを選ばないと‥‥。 続きを読む

冬の妖精 ~ アメリカコガラ

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©William Ash

厳寒のメイン州、庭から庭へとアクロバット的飛行をみせて、春をまちわびる人々の心を和ませてくれる鳥がいる。和名、アメリカコガラ。英名は、チッキディー (学名 Parus atricaillus)。 chick-a-dee-dee-deeと鳴くので、そこから英名がきたらしい。とてもおしゃべりな鳥なのだが、かわいそうに声はギシギシしていてうるさい。アラスカからメイン州までアメリカの北部に生息し、体調は12-15センチ、重さは10-12グラム。一年中、メイン州でみられ、州鳥になっている。お腹のところが、ちょっと黄色みを帯びているほかは、白、黒、灰色と地味な鳥だ。が、雪景色がよく似合う。

雀ほどしかない小さなこの鳥が、どうやって、時にー20度を超えてくる冬を過ごしているのだろうか?

日中は絶えずえさをたべて、夜の分まで脂肪を蓄える。そして夜は、さらに体温を10-12度さげて、エネルギーの消耗を抑える。また、同じサイズの鳥にくらべたら、はるかによく熱を蓄えることができる羽毛をもって、冬でも巣は作らない。夜は小さな場所をねぐらとするらしく、狭い場所では尾を曲げることができる。すばらしい!

我が家の場合、バードフィーダーは、えさが乏しくなる秋から冬の間に庭につるすのだが、チッキデーは、えさがなくなるとしっかりと催促してくる。庭にでると、私を逃すまいと、目の前に姿をみせ、こっちの目をみてうるさく鳴くのだ。思わず、「はい、はい、わかりました」と答えてしまう。

人を恐れない、かしこく、かわいく、ウルトラに強い小鳥たち。メイン州では、今日から明日にかけて大雪警報がでているのだが、細やかな雪が降り続く中、今も、かれらはバードフィダーのえさをついばんでいる。おなかいっぱい、食べるんだよ!

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キャニオン・デ・シェイ国定公園  Part 5

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公園の地域には、何百年という間、ナバホの人々が住んでいる。今も、カボチャ、トウモロコシ、りんご、なしなどが栽培され、馬や羊も放牧されている。写真の中央、岩壁の影となっているあたりにある小さな点々は、羊だ。キャニオン・デ・シェイは国定公園になっても、土地は依然としてナバホの人々のもので、大切にされている。

車のツアーに参加したり、渓谷に降りて遺跡を訪ねたのだが、砂ぼこりというものが気にならなかった。創造主が土で人間の体をつくり、そこに命を吹き込んだというネイティブアメリカンの神話は、こういうキャニオンでは真実みを帯びてくる。

 

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キャニオン・デ・シェイ国定公園  Part 4

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©William Ash

写真左中央、岩の端は自分のいるところから30メートルぐらい下、渓谷の底はさらにそこから60メートルぐらい下だった。キャニオン・デ・シェイ(Canyon de Chelly) は、時間と空間のタペストリー。

地下の水の流れは
色鮮やかに紅葉したハコヤナギノの木となって

人間や動物の流れは
小道や車道となって編み込まれている

 

キャニオン・デ・シェイ国定公園  Part 3

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©William Ash

古い岩に刻まれた数々のシンボル‥‥渓谷の切り立つ岩壁は、2億年前に作られた砂岩で、そこには、イメージやシンボルがいろいろな高さに刻まれている。公園の地域には、5000年にわたって人間が住んでいたといわれ、だれが彫ったのか、アナサジか、ナバホか、その推測はむずかしいらしい。でも、それらは歴史的な事件や移動していった方向を示していたり、霊的な意味をもっている。

写真は、アンテロープ・ハウス遺跡の近くの岩面のもの。レンガ色の岩にふれながら、インディ・ジョーンズ気分を楽しんだ。が、その一方で、ネイティブアメリカンを襲った壮絶な過去を思いながら見ていると、「彼らの先祖は、まだここで見守っている」という感じがしてきて、谷底から断崖を見わたしたことが幾度もあった。

それまでは先祖といえば、業という否定的な宗教意識がいっしょに流れこんできて、自分を縛ってくるような暗さを感じた。でもキャニオン・デ・シェイの自然の中では、「先祖」という行き詰まっていた言霊が、そんなしつこいエネルギーをやぶって、さあ〜と自然の創造主にまで広がってとけた感じがした。

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キャニオン・デ・シェイ国定公園  Part 2

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©William Ash

公園がある地域には、現在住んでいるナバホ以前に、アナサジと呼ばれる人々が住んでいた。写真のアンテロープ・ハウス遺跡(Antelope House Ruin)のまわりには、11世紀から13世紀にかけて、大きなアナサジの集落があったらしい。

写真の右よりの高い建造物は、渓谷の赤い断崖にそって作られた要塞のひとつで、かつては4階だてぐらいの高さがあったらしく、部屋数も90を超えていたことがわかっている。そのまわりに残されている円形のものは、キバ(kiva)と呼ばれ、儀式や宗教行事が執り行われた。それでも、多くの人々は、こうした建造物の外に住んでいたらしい。

ところが、1300年代には、この遺跡の地域からアナサジは消えている。理由はよくわかっていないが、1276年から1299年まで干ばつが続いたことや、人口が増えすぎて、環境が悪化した証拠が残されている。どこに消えたのか? 現在のホピ、ズーニー、アコマは、このアナサジの子孫と言われている。

21世紀
移り住む場所があるとは限らない。
火星にいくお金もガッツもない。
みなさん、いっしょに地球を大事にしましょ〜う!

 

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キャニオン・デ・シェイ国定公園  Part1

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©William Ash

一見すると、空へとそびえているものを見ているような気がする。が、実はちがう。地下へと掘られたものを見下ろしているのである。その深さは、300メートル。ちなみに、東京タワーの高さは333メートル。画像をクリックしてみてほしい。

アメリカ南西部のアリゾナ州にあるキャニオン・デ・シェイ(Canyon de Chelly)国定公園は、平原が河川によって浸食されて生まれた。深さ300メートルもある断崖が、42kmにわたって細長く東西に伸びている。

写真の中心にある塔のように切り立つ岩は、スパイダーロック(Spider Rock)。公園内の見所のひとつであるだけでなく、先住民族のナバホは今でも、この岩を精神的,地理的な中心として崇めている。かつて怪物たちを退治し、ナバホが今でもその卓越した技術で知られている織物の技術を授けたと伝えられるスパイダーウーマン(Spider Woman) が、この岩に住んでいるといわれている。

スピーキングロック(Speaking Rock) 、またはトーキングロック(Talking Rock)と呼ばれる岩が、画像の左端にある。ナバホが子供たちに話すお話のなかに、ふたつの岩にまつわるものがある。

「いたずらばかりしていると、スピーキングロックが、スパイダーウーマンに教えてしまうぞ。スパイダーウーマンが捕まえにきて、岩の家につれていかれ、そこで食べられてしまうぞ。どうして、岩の天辺だけが白っぽいと思う?あれは、実は食べられた哀れな子供たちの骨なんだぞ。」

写真の地平線の中央あたり、遥か遠くには、ブラックロック(Black Rock) とよばれる山がみえる。火山が浸食されて、火道内のマグマが硬化してのこされた火山岩栓だ。

火山、噴火、300メートルも切り取られた渓谷、そこを守る人々、彼らに伝わる伝統とお話‥‥。こういう場所にいくと、自分なんてどうでもいいように思え、それがまた心地よかったりする。

 

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日本の思い出 ~ 東京の路上にて

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©William Ash

日本人はどんな人たちか?と聞かれたら、僕はこう答える。
「温かくて、寛容な人たち」

どこの国でも、国民性となるとステレオタイプ的になり、それによって人は洗脳される。日本人も同じだ。でも、もっと時間をとって人々や生活を自分で経験してみると、ぜんぜん違う表情が見えてくる。

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男たちのふとん太鼓

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©William Ash

私たちは夫婦で四国遍路道を、3周ほどしたことがある。体力があった時のことだが‥‥。また、大阪の堺市に住んでいろいろな文化行事を楽しむことができた。今、アメリカの北東岸の隅っこの田舎に住んでも、ホームシックにかかったことがないのは、こうして前に日本に延々と脈づいてきた文化を、十分に楽しむことができたからだと思うことがある。

関西といえば、大阪の堺市の百舌鳥八幡寓の月見祭りは、地に足がついたすばらしいお祭りだ。行政に頼ることなく、9つの町が大切にこの祭りを続けている。町ごとに美しいふとん太鼓をもち、町内のおじさんや青年たちが、編成をくみ、一組あたり50から70人で2.5トンのふとん太鼓を運ぶ。しかも、運ぶだけでなく、お囃子を歌いながら練り歩き、ゆすったりして、房の触れ方の壮麗さを競う。

中でも、本堂へと続く神社の階段になると、担ぎ手の表情が変わる。バランスを注意深くとってふとん太鼓を担ぎながら、危険な階段を数回も往復してみせてくれるのだ。その真剣さたるや、見ている方の顔色も変わってくる。

担ぎ手のこうした一致団結した姿をみていると、観衆のなかの若者たちが、「俺も、かつぎてぇー」とため息をもらしたり、女の子がボーイフレンドに「あんたもいって、ちょっと担がせてもらいー!」などと言っている声が聞こえてくる。

Futon Daiko - William Ash

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