ハードサイダー(りんご酒)の作り方

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©William Ash

ハードサイダーの作り方は、日本のサイトにはあまりないようなので、ここで作り方を簡単に紹介しようと思う。レシピは、「Cider: Making, Using & Enjoying Sweet and Hard Cider 」(Anne Proulx and Lew Nichols著)で見つけた。すばらしい本で、サイダーを作りたいと思っている人は、読むことをすすめる。いろいろなハードサイダーのレシピがのっているだけでなく、インターネットにはない詳しい専門的な情報がのっている。さて、レシピだが ‥‥

私たちが作るハードサイダーは、イーストを使わない「ニューイングランド・バーレル・サイダー」とよばれ、古くからつくられてきた伝統的なサイダー。名前からわかるように、かつては樽(バーレル)の中で作られたのだろう。

1. まず、近くのりんご園から、低温殺菌されただけの100%純粋なリンゴジュースを買ってくる。ジュースは不透明で、美しい赤茶色をしている。たいていのリンゴジュースは、防腐剤としてバクテリアを殺す二酸化硫黄を保存料につかっているので、これでは、イーストを使わない私たちのレシピでは、ハードサイダーはできない。

リンゴジュースに使われたリンゴの種類によっても、サイダーの風味がかわる。自分たちの限られた経験からいうと、りんごが出回りはじめたころのジュースよりも、晩秋をすぎたころのリンゴジュースのほうが甘く、サイダーの味がよかったような気がする

サイダー作りにこる人たちは、自分で好みのリンゴをプレスしてリンゴジュースを作り、殺菌処理して使う。私たちはしたことがない。興味のある人は、「 Cider: Making, Using & Enjoying Sweet and Hard Cider 」( Anne Proulx and Lew Nichols著)の本によくでているので、みてほしい。

2. サイダー作りに使用する容器、道具はすべて消毒しておく。私たちは、ワイン作り専門の店から、すすぎがいらない「One Step」という消毒剤を購入してつかっている。

3. 一次発酵として、このリンゴジュース1000mlに対してに対して、砂糖を約63ml、またはハチミツ80mlをいれる。数週間後、または1ヶ月ぐらいしたら発酵がおさまってくる。砂糖よりも、ハチミツを使った方が、味に風味があったような気がする。

一次発酵は、ともかく勢いがある。1ガロン(3.8リットル)のボトルで作っていたら、ボトルの口が、吹っ飛んでしまった。自分で空気をひんぱんに抜くのも面倒だし、雑菌がはいったり、ボトルが破裂してもこまるので、ビール作りやワイン作りに使われる発酵栓(エアロック)の使用をすすめる。500円ぐらいだと思う。いろいろタイプがあるが、私たちは、短くて簡単な作りものをつかっている。

もし自分が買ったリンゴジュースに保存料がはいっていたら、ブクブクと発酵を始めないので、1週間もすればわかる。

4. 次に二次発酵として、小さじ2杯強のオイルコーティングなしのレーズンをいれる。(オイルコーティングのレーズンを使うと、ジュースが汚染されてすべてがおじゃんになります!)

上の写真は、レーズンをいれてから1ヶ月後の写真。レーズンがゆっくりと上下しながら、炭酸を出している。瓶のそこには、一次発酵でできたかすがたまっている。

二次発酵には、数ヶ月かかる。発酵がおわったら、コーヒーフィルターなどを使ってこして、ボトルに詰めかえて地下室で保存する。二次発酵をしないレシピもあるが、実はこの二次発酵によって、固く荒いリンゴ酸が、飲みやすい乳酸にかわるらしい(詳しくは上記の本を読んでください)。

このレシピの特徴は、ホワイトワイン用のイーストを使うレシピが多い中、イーストを使わないこと。中には、ワイン用のイーストを使わずに、パンをやくイーストを使う人もいるが、味が悪いらしい。

ハードサイダー作りは、ワイン、ビール作りと同様に、奥が深いようで、またオタク的なところもあり、いろいろな道具、イーストが売られている。凝りだしたら、きりがないような‥。だから、なるべくシンプルなやり方を選んでいる。

アルコール度は、vinometerを使用して簡単に測定している。市販されているハードサイダーのアルコール度はビールに近く、また甘く、バブリーなものもある。でも、このレシピのサイダーは、ワインのアルコール度に近い。ドライな味で、甘くない。市販のサイダーの味になれた人には、最初は???と感じるかもしれないが、ボトルにいれて保存しているうちに、味がゆっくりとまろやかになっていく。

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