Autumn Rain ~ 秋雨

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©William Ash

秋の庭は、刻々と色を変えていく。同じ庭でありながら、自然とともに移ろっていく。目まぐるしい変化をみせて、冬の眠りにつく。

でもこれは、広葉樹だけのことではないらしく、ずっと前にある植物の本で読んだことだが、トマトなどは種のときから枯れていくまでに、すべての色を経験していくのだそうだ。観察力に乏しい自分の目には緑にしか見えないのに、実は外見の形はもとより、色までもどんどん変化させまくって、一生を終えていくらしい。

あっぱれかな、トマトさん。

遍路道を三周して学んだ大切なことのひとつに、「すべては絶え間なく変化していて、人間も自分も、同じように変化し続けている」ということがある。それが本当の姿なのだと、ただ道を歩いていただけなのに、子どものように感じた。実は、みんな、トマトだった。すべては変化し続ける。前と同じような色に見えても、実はちがう。英語でいえば、Life goes on!  となり、米国でのトヨタの宣伝文句を使わせてもらえば、Moving forward! というところだろうか。

Winter Milky Way Rising ~ 冬の天の川

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©William Ash

晩秋のメイン州、日は短く、夜は深くなっていく。買い物からもどって車から降りれば、木立の向こうを天の川が流れていた。中央の木のすぐ上にあり、白い点が集まったように見えるのは、プレアデス、昴だ。画像の下あたりには、オリオン座が見える。(画像をクリックして、拡大してご覧ください)

Gray and Overcast

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©William Ash

先週は秋雨が続いて、灰色の中で紅葉の色が一層映えた。とはいえ、美しい紅葉の季節は終わりを迎えようとしている。最低気温は、0度近くになってきた。目は色の輝きをみつめて止まないが、冷たい風が首筋に流れこんでくると、真っ白な冬の森がしのびこむように風景に重なってくる。

Fruit of the Forest ~ 森の果実 

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©William Ash

食べられはしないけれど、落ち葉は森が生み出す果実のようなもの。夏には日陰を、秋には色を森に与え、今は、散って地面を守り、栄養を与えている。画像のキノコはなんなのかわからないが、緑色の葉は、春先に林床に広がるスズランの葉だ。

真夜中の稲妻 2016

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©William Ash

真夜中に雷雨がきて、目が覚めた。暴風に揺れる樹々を打つ雨音が、開けっ放しの窓の向こうの真っ暗な森から聞こえてくる。樹々の歓声のように生き生きとしていて、一瞬、外が明るくなったと思ったら、大気にヒビをいれたような雷鳴がした。画像は、稲妻で明るく照らされた窓の外の木立。

視線の片隅にあるもの 〜 夏

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©William Ash

家の裏の森や野原にはいろいろなものがいるけれど、まわりの色にうまく紛れていて、わかるのは動いたときだけだ。このトンボも、野生のごぼうの種にとまってじっとしていたら、見逃してしまったかもしれない。このトンボ、よく見てみるとすばらしい。life_in_maine_dragonfly_3羽の細やかさや色、頭の後ろの黄色といい、このトンボがたどってきた進化を思うと驚異だ。