ワシントンDCの風景 ~ パンダに会えた日 Part 1

ずっと行きたかったスミソニアン国立動物園に、やっと行けた。お目当ては、パンダ。子供が1頭、大人が2頭いる。画像は雄のTian Tian。

この日に会えたのは、大人の2頭。DCの冬はパンダにとっては寒いので、室内にいる。

でも、雪も好きらしい。2021年1月末にDCに積雪があった時、彼らが雪の上を楽し気に転げ回る姿が世界中に流れた。

ぬいぐるみでないのが不思議なぐらい、パンダという生き物は可愛い。1972年に上野動物園にきたランランとカンカンも見たことがあるが、すごい行列でほとんど見えなかった。

上野ほどではないが、この動物園でも見物客はグループに分けられて中に案内された。結局、数分しか見ることができなかったが、ガラス越しとはいえ、間近に見られたのが嬉しい。高齢らしいが、毛並みも良く、とても元気に見えた。

人間はやはり動物だな。こうした可愛い動物の貸借を通して、友好関係を強調する。かつては王族は、世界の王族間で結婚をさせて勢力を伸ばしたものだが、今はこんな無邪気な生き物が、ちょこんとDCの動物園で竹を食べて米中の友好に貢献をしている。

パンダの魔法が、永遠に続きますように。

 

ワシントンDCの風景 ~ 二つのアメリカ

©︎William Ash

©︎William Ash

当然のこととはいえ、ワシントンDCの政治色の強さには驚く。ホリデーシーズンでさえ、デモや抗議行動が行われていた。

この日は、まずホワイトハウスの外で、一塊になって座って投票権に関する抗議活動をしている人たちがいた。とても静かで、周りには、警官一人いなかった。(上部画像)

ところが、ナショナルモールの議会議事堂の前のツリーを見ていた時だった。頭上をヘリが飛び回り、パトカーがどんどんやってきて、最後には自転車に乗った警官が50人ぐらいこっちにやってきた。(下部画像)

「年末だから、警備がこんなに堅いのか?」

呑気なことを考えていたら、警官の後ろから、武装したような若者が50人ぐらい綺麗に並んで行進してきた。唖然とするこちらの前を、”Hi!”などと感じよく言って通り過ぎ、最後には池を挟んでクリスマスツリーに背を向けて、演説を始めた。

「Reclaim America」と書かれた幕を持っていた。白人至上主義者だった。彼らの一人が演説を始めると同時に、赤と白と青(アメリカ国旗の色)の煙幕が彼らを包んだ。

すると、ここがアメリカの凄さだと思うのだが、池の周りにいた若者たちが彼らの方へ走っていき、すごいブーイングを始めた。

一方で、警官が、「ここから離れろ」と周りの人たちに怒鳴り出した。デモに反対する人たちが、彼らの中に飛び込んで乱闘を始めるかもしれないからだ。

実際、その恐れがあったのかもしれない。デモに参加していた白人至上主義の青年たちも、テレビでよく見る機動隊が持っている透明なフェイスカバー付きの硬いメタル製の盾を持ち、膝の周りにも何かを巻いていて防御していた。顔も頭も、布で巻いていた。

幸い、次の日にはこのデモについてのニュースは何も出ていなかったので、無事もなく終わったのだろう。

60歳になった今だから実感するのだが、「夢」というものは、平和だからこそ持てるもの。当たり前のように「あなたの夢は?」「私の夢は?」と問い、考えてこれたことの有り難さを思う。

 

 

 

ワシントンDCのクリスマス 2021 ~ Part 2

©︎William Ash

カナダ大使館のクリスマスツリー。ノーバスコシアから持ってきた木らしい。
後ろの建物は、国立アート美術館。

クリスマスツリーは、とてもノスタルジック。この1年がどうであれ、どこか美しく落ち着いた心持ちにしてくれる。イルミネーションを楽しみながら街を歩くと、平和のありがたみをしみじみと感じる。

でも、

ひとつ前のブログの議事堂前のツリーにせよ、どこにせよ、環境問題を国際会議で議論している政府機関が、森にとってはハブとして重要であったに違いない大木を切って、わざわざ運んで飾っている。

来年には、使い回しが効く人工の巨大クリスマスツリーが登場してくれて、もっと明るい気持ちでツリーのイルミネーションを楽しめるといいなぁ。

ワシントンDCのクリスマス 2021 ~ Part 1

©︎William Ash

We wish you a Merry Christmas
from Hakusan Creation

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日中はTシャツでも歩けるような天候に恵まれたDCのクリスマス。
メイン州の雪嵐のクリスマス、フロリダの30度越えのクリスマス、
KCの0度ぐらいのクリスマスと、
様々な気候の中でクリスマスを過ごしてきたが、
DCの気候は東京に近くて過ごしやすい。
でも、流石に12月末にTシャツ日和になるとは思ってもいなかった。
市内では、サンタの帽子を被った人が歩いていたりする。

ワシントンDCの自然~ Fall from Above

©William Ash

ワシントンDCも、秋めいてきた。6月にはあのブルードX(セミ)の抜け殻だらけだった道に、今、街路樹から落ちた木の実がたくさんころがっている。Soapstone Valleyでは、紅葉がはじまったばかり。ニューイングランドの燃え立つような紅葉が懐かしいが、こうした都会の真ん中でも自然の移ろいを身近に感じられることはありがたい。 Click on the image for a larger view.

ワシントンDCの風景 ~ 693,000 本の白い旗

©William Ash

10月4まで、ワシントンDCのワシントン・メモリアルの周りには、コロナで亡くなられた人を追悼する白い旗が並べられている。合計死亡者数と旗の数が合うように、日々、旗を足している。追悼に訪れる人も、後を絶たない。

私たちが訪れた水曜日の死亡者の数は69万3000人だったので、それに近い数の旗が芝一面に、広がっていた。数字を旗として認知して、あらためて死亡した人の数の多さに驚かされた。白い花の海だった。

これを、データ・ビジュアライズというのだろうか。

旗の中には、追悼の言葉が、家族や知人によって書かれたものもある。風になびいたとき、「ママ…」「パパ…」「おばあちゃん…」「ミス…」という言葉が視界に入ってくると、心が痛んだ。

コロナは収束に向かっているというけれど、アメリカでは毎日およそ2000人が亡くなっている。今日の10月1日金曜日現在では、69万7988人。

ただ、不思議でならない。義務ではないが、まわりでジョギングや散歩をしている人たちが、全くマスクをしていない。この旗の海が視界に入っているはずなのに、どういうことだろうか? まさにサバイバー・バイアス。

子供たちはワクチンを接種していないし、いつ新種のコロナが現れるかわかない。つくづく、同じものを見ても人の反応はそれぞれで、脳内ワイヤリングのちがいを感じた。