Trees are Earth’s endless effort to speak to the listening heaven.
—Rabindranath Tagore
〈訳)
樹々とは
耳をすましている天へ話しかけようとしている地球の
絶え間ない努力の証である。
ー タゴール、(インドの詩人)
—Rabindranath Tagore
〈訳)
樹々とは
耳をすましている天へ話しかけようとしている地球の
絶え間ない努力の証である。
ー タゴール、(インドの詩人)
家の周りが黄緑の新緑でいっぱいで、体の中にまで枝が伸びて入ってくるような気がしてくる。地球の自転や公転のスピードなんて感じることはできないが、5月の森は自然のスピードをヒシヒシと感じさせてくれる。この2週間で、あの長くてグレーな冬がもうはるか昔のことのよう。たった4つの季節しかないのに、毎年季節ごとに驚きを感じられることが不思議だ。
新緑の緑が、もっとも映える時期になった。今年の春は雨が多かったのでみずみずしく、林床にもシダの緑がどんどん広がっている。そんな森を見ていると、自分がなんとなく緑の水の中に浮いているような気がしたが、近赤外で撮ってみれば、きらめきでいっぱいだ。
30度を超えた真夏日は夢のごとく過ぎ去り、例年通りの気温にもどった。肌寒いぐらいのさわやかな風に、蘇ったかのように新緑が踊る。りんごの花びらは舞い散り、白いスミレの花の中へ落ちていく。
裏の森がどんどん変わっていく。一番上の写真は5月12日、二番目のは15日。この日は、最高気温が11度まで上がった。そして今日は、エルニーニョのせいで26度になった。3番目の写真は、今日撮ったもの。明日は、30度を超えるという。まるで7月の陽気だ。上から写真を見ていくと、青空がどんどん緑に隠れていくのがわかる。人間のほうもすっかり7月の気分になって、夕食時にはレストランの外の席が人で埋まっている。
早春の林床で一番に花を開く花、エンレイソウが今年も咲き始めた。樹々の葉によって光がさえぎられる前の明るい森の底で、ひとりで春の光を浴びる紫の花。上品なようでどこか毒々しい紫色のせいか、いかにも「野草」という趣がある。
裏の森の若木の新緑の近赤外画像。画像をクリックして拡大してご覧ください。
庭の野原の若木が、新緑に燃えはじめた。画像は近赤外で撮ったもので、クロロフィルが近赤外線をよく反射している。そのため、地面の草や若葉が、白色に写っている。(画像をクリックして、拡大してご覧ください。)
7月の裏の森の写真だが、あと二ヶ月もしないうちにまたこの緑の中にいることになるとは思っても、長い冬のあとだ。なかなか想像できない。
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