Spring Thaw ~ 春の雪解け

©William Ash

日曜日は晴れて、気温が上がった。今週は、一気に20℃前後まで上がるらしい。大気に春が香る。去ってゆく冬の足跡が、雪解け水の水たまりとなって林床のあちこちにできはじめた。その混じりけのない水を見るとき、去っていった冬の力を改めて思い知る。井戸の底を見るように、のぞき込む。

Tracks ~ 足跡

©William Ash

夜、ニューファンドランド犬のHikariを○○○のために出すとき、聞こえてくるのは木立を抜ける風の音ぐらいなものだ。夏にはスカンクの臭いが微かに漂うこともあるが、多くの野生動物は我が家の大きな犬を恐れて、家の近くまではこない。

ところが先日、Hikariを外に出したとたんに、雪の上を森へと逃げていく大きな足音がした。向こうも驚いたようだが、それはこっちも同じだ。「何者だ!」と言ったところで、あたりは真っ暗。しかも正体不明の足音は、途中でパタッと止まってしまった。まだ近くにいて、こっちの様子をうかがっているのだった。もう気が気じゃない。コヨーテだったら、ニューファンドランド犬でも危ない。

でも、翌日に見つけた足跡から、それがベジタリアンであることがわかった。しかも、3頭もきていたようだ。この季節に鹿の小さな群れを見ることはあるが、家から10mぐらいのところまでくるとは、相当、お腹が空いているのかな? お願いだから、果樹の新芽だけは食べないでおくれ。

エイプリールフール  2017

©William Ash

なんと4月1日に雪が降って、10センチも積もった。が、さすがに4月。午後から翌日にかけて快晴となり気温も10℃まで上昇。真っ白な世界を見ているのに、聴覚は鳥のさえずり、触覚は暖かな光、臭覚は雪解け水にまじる大地の香りを捉えてくる。視覚の力はパワフルで、つい冬に引きずられて不満をいいたくなるが、ここは楽観的になって春だけに心を寄せる。明日にはまた10センチの積雪という、ウソのような予報を聞いてもだ。いい加減、もう4月なのだからね。日本では、桜が咲いているんだからね。

Blizzard, March 2017~ 3月の大雪

©William Ash

今日は午後から大雪、強風となり、30〜40cm ぐらいつもっている。夕方には1時間の間に5〜7cm も積もり、視界がきかなかった。とても静かだ。メイン州ではそんなに珍しいことではないけれど、今回は、ワシントンD.C.やマサチューセッツ、ニューヨークでも大雪というから驚く。

Winter Fog ~ 冬の霧

©William Ash

先週末、例年よりも早くやってきた暖かな春の大気が、冷たく固い雪の上を流れて、一日中濃い霧が立ちこめた。写真は日没の頃にとったもので、遠くのブラックベリーの生えた野原へと、樹々が続いているのがわかる。雪ひとつでも、大気が変われば、本当にいろいろな風景が生まれてくる。いつもは4月に見かけるシマリスも、もう冬眠から目覚めてしまったようで、霧にまぎれて家のまわりを走っている。

Celebrating Winter ~ 冬を祝う

©William Ash

それまでの雪嵐がウソのように、先週末からは暖かな日が続いている。日曜日と今日は、最高気温が10℃を超えた。さすがに冬も、一休みしたと見える。家のまわりの針葉樹も、重たい雪が解けてくれて、いかにも身軽だ。

この一年、同じ所から撮影してみた。春と夏、秋の風景はこちらから。
、夏、秋

Let it snow… 雪やこんこん、こんこん、こんこん、

©William Ash

珍しいことに、この9日の間に雪嵐が5回もきた。まるで、1回しかなかった1月の反動のようだ。「雪かきが楽しい」なんて思ったのもつかの間、メイン州中央部にあるここらへんでも、9日間で1.2 mを超え、毎日雪かきをするはめになった。

南部のポートランドでは、2017年2月は歴史上8番目に雪が多い月となり、しかもまだ半ば。州都のオーガスタの平均の年間降雪量が1.8 m、ポートランドは1.6 mだから、量としてはたいしたことがないが、こうも集中して降られると、雪の置き場がなくなっていく。ドライブウェイと車道が出会う場所には、すでに1.8mの雪の壁ができた。

スキー場は大喜びし、スノーモービル狂は、週末に森の中を走り回るにちがいない。昨年の冬には雪が少なくて、夏には森のシダが枯れたから、この雪も実は恵みだと思えば、みんな大助かりなのかもしれない。それに、キャビンフィーバーも完全に消えた。が、今度は筋肉痛だ。