30代前半の頃、夏になると二人して日本アルプスに登った。写真は、K1に立って撮影したもので、左から2番目の枠にあるのが霞沢岳(2646m)とK2。上高地からK2へのトレイルは、アップダウンが多くまた薮などもあり、とてもきつかったのを覚えている。
日本で3番目に高い山、奥穂高(3190m)が、右から2番目の枠のなかに見える。また、一番右の枠には槍ヶ岳(3180m)があり、そこから少し左にもっとも危険なトレイルのひとつであるで大キレットがくぼんで見える。活火山である焼岳(2455m)は、左から3番目の枠にある。
上高地から奥穂高へは、よく登った。このトレイルは今でこそ多くの人たちで混雑するが、上高地への登山を広めたのは、英国人宣教師のウォルター・ウエストンだった。19世紀おわりのことだった。
それまでは、山は日本人によっては信仰の対象であり、修行の場だったので、日本の山には頂に神社があったり、祠がおかれている。森をぬけ、けわしい坂をのぼり、自然の気配をからだ全身でうけながら登りづけて、青雲ただよう山頂にたつとき、そこに祠をおいた気持ちが、わかるような気がする。(写真をクリックして拡大してご覧ください。)