前回につづき、ブルードXの続き。
アパート内の大木の幹では、多くのセミの幼虫が、地下の生活で使っていた殻を脱いで、羽化をしている。これは夕暮れ、暗くなってから始まる。羽化は、穴ぐらを出てから1時間以内に終わるというから、かなり速い。
驚くほど、コンパクトに折りたたまれた羽や体。画像の体は半透明だが、殻を完全に過ぎ捨ててから30分ぐらいで、もう成虫の黒っぽい色に変わる。
こうした変化をみると、自然のシステムのすごさを感じる。「何がこんな世界をつくっているのだろう?」なんて、またまた思う。
それに、セミたちを待ち受ける鳥や蜘蛛、野良猫などの天敵をまず満足させるために、最初に地下から出てくるセミのほとんどは、オスなのだそうだ。メスは、後からでてきて、交尾をして卵を産むという。
世界には3400種のセミがいるが、ブルードXのように周期的に大量発生するセミは、アメリカの東部にだけ見られるという。17年周期のセミは、ほかにも12グループあるが、ブルードXと呼ばれるグループはその中でも最大で、3種類のセミがいる。
自然は、おもしろい。