ビッグバンから宇宙が生まれ、およそ130億年たった今、たんぽぽがある。これまでの時間をまきもどして再スタートさせたら、無限の組みあわせが可能な宇宙だから、たんぽぽの姿もかわってくることだろう。もちろん、宇宙が生みだすものなのだから、とても精巧で、美しいにちがいない。ただ、今回のように食べられるとはかぎらないが‥。
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ビッグバンから宇宙が生まれ、およそ130億年たった今、たんぽぽがある。これまでの時間をまきもどして再スタートさせたら、無限の組みあわせが可能な宇宙だから、たんぽぽの姿もかわってくることだろう。もちろん、宇宙が生みだすものなのだから、とても精巧で、美しいにちがいない。ただ、今回のように食べられるとはかぎらないが‥。
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たんぽぽ Part 1の葉, Part 2の花びらにつづいて、今回は根。この数年、たんぽぽを抜かないできたかいがあって、根が大きく育っていた。それで、たんぽぽコーヒーを作ってみた。たんぽぽコーヒーのレシピは、アメリカのサイトにも数多くある。要は、細かく刻んで天日干しにして、フライパンで炒ればいいのだが、オーブンだけでできる楽な方法を今回はとった。まずは、 続きを読む
どんな植物オンチでも、この植物の名前を知らない人などいないだろう。まだ肌寒い春先に、明るく咲いてくれるだけでなく、子供時代の思い出とかさなりあって、いつまでも心に咲きつづけてくれる花なのだから。
幼稚園時代におままごとのご飯のおかずに使ったのも、たんぽぽだった。葉っぱを石でたたいてつぶして、あたかも味噌漬けのような感じにして、お花といっしょに小さなお皿の上にのせた。「お父さん、ごはんですよ。いただきましょうね。」と、目の前でおとなしく正座している近所の男の子の前に差し出したものだった。
それが今、現実の生活のなかの食卓にものるようになった。幸い、スムージー、サラダ、炒め物,パンなど、当時よりはレパートリーが増えている。
とくにこの春は、例年よりもなぜか葉が苦くない。花をつけていても、苦くない。それで、根をひっこぬいてたんぽぽコーヒーをつくったあとに残った若葉を、おいしくいただいている。食べきれない葉は、乾燥させてお茶にしたり、あとでスープにするために生で冷凍したりしている。
たんぽぽの薬用効果、栄養をあげれば、きりがない。存在価値が、そんじょそこらの野菜とは、比べ物にならない。アメリカでは、とくに肝臓をきれいにしてくれる効果が強調されていて、日本と同様に、知っている人は食用として利用している。
最初、この家にきたときは、芝生ばかりでタンポポやスミレ、クローバーは、ほんのひとにぎりしかなかった。普通ならそれを引きぬくのだが、花が好きだったので、増えるように芝の中に移植してきた。ましては、食用になると知った今、初夏に葉がかたくなって苦くなるまでは、芝刈りはしない。
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Evening Primrose(学名Oenothera biennia,和名メマツヨイグザ)の中で、Common Evening Primroseとよばれる植物が、庭に群をなして咲く。2年草で、2年目にはそれはかわいい黄色の花をたくさんつける。
この植物は、時期をえらべば、根、葉、花、つぼみ、種が食べられるらしい。過去にヨーロッパで野菜として食べられていたときがあり、もちろんネイティブアメリカンも食べていたそうだ。
私の狙いは、ひたすら種。ポピーの種のかわりになるので、パンやマフィンにいれている。ごまといっしょで、挽いたほうが栄養が吸収されやすいとは思うのだが、この黒い点々がみたくて、そのまま小麦粉にまぜている。また、オーブンで15分から20分ローストして、コショウのかわりに使うひともいる。
秋になると、たくさんの種がはいったサヤをつける。ところが、ゴールドフィンチが、この種が大好きときている。バナナの皮のように、くちばしでサヤの一カ所を縦に一枚だけむいて、中の種を食べる。そして、なんと完食しないで、次のサヤに移ってしまう。「あ〜、もったいない‥‥」美しい黄色の鳥ゴールドフィンチといえども、許しがたい。鳥の食いかけを、人間のパンに入れるわけにはいかない‥‥。
でも、このサヤがむかれた部分から、小さな種が地面にこぼれて、そのおこぼれにあずかる虫もいるのだろうな。
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食べられる野草/雑草シリーズの続きで、今回は、セント・ジョーンズ・ワート(St. John’s Wort)。学名はHypericum perforatum。和名は、セイヨウオトギリソウ。薬草としてネイティブアメリカンにも使われ、現代ではうつ病に効果があるとして再注目されている*。
食用としては‥‥花と若葉。花をサラダ、お菓子につかったり、ハーブティーにしたりしている。若葉は、スムージーに使っている。この花のお茶は、ほんとうに甘くておいしい。 また、フレッシュかドライのどちらでもいいのが、花だけ、または、花がついた茎(15センチぐらい)を瓶につめウオッカにひたして、ティンクチャーをつくっている。冬に「キャビンフィーバーか?」と思ったとき、紅茶に10滴ぐらいまぜて飲むのだが、甘みが加わっておいしい。気のせいかもしれないが、気持ちというか、頭もほわ〜んとしてくる。
セント・ジョーンズ・ワートは、2年前に突然、庭に生え始めた。風か、鳥からの贈り物だろう。50代に入り、更年期のさまざまな症状を聞いて、構えにはいっている今日この頃。原因不明のイライラ、落ち込みが起きそうになったら、この美しき花のお茶に癒してもらうつもりでいる。からだも、きっと喜ぶにちがいない。花にやどる愛に感謝。
*注意点:摂取により副作用がでる人がいる。妊娠中、授乳中の女性はもとより、他の治療薬などを服用している人は、必ず医師に相談のうえ、この植物を利用することをすすめる。
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毎年、少しずつ芝生を手ではいで、野菜畑を広げて4年目になるが、今年は、大きく方向転換した。
きっかけは、「大きな脳を与えられた人類が、ただ食べ物のために必死に種を植えたり、耕したりしてあくせくしなくちゃいけないのか?」と思って、前から気になっていた下の植物の名をインターネットで調べたこと。
庭のバラの下に陣取っていて、毎年春になるとものすごい勢いで広がっていく。なんども引き抜こうとおもったのだが、パセリの匂いがするのでできなかった。
草の学名は「 Aegopodium podagraria」、英名の一般的なものは「goutweed」。
数年まえにも調べたのだが、そのときは春先で、葉形がちがっていたためにわからなかった。この草の葉は、発芽してきてしばらくは、写真中央の葉のように3枚には分かれていない。向って左の葉のように、両側の小さな葉がくっついて一枚だったり、向って右の葉のように、片側だけはがれて2枚の葉になっているのだ。
この植物は、芝生が命のアメリカ人にはひどく嫌われているが、食用と知っている人には、自然がもたらしてくれたギフトと受け取られる。なぜなら‥‥
とくに中世期ヨーロッパの僧院などで、薬用(リュウマチ、痛風に効く)、食用として栽培された長い歴史をもつ多年草なのだ。驚いたことに日本にもあり、和名では「イワミツバ」と呼ばれているらしい。
若葉とその茎は、生でも煮ても食べられる。ほうれん草やパセリと同じ感じで使える。ビタミンCが豊富らしい。炒めたり、詰め物に入れたり、チーズといっしょに料理してもおいしい。ドイツでは、スープに利用されているとか。有り余るばかりの葉はつんで乾燥させれば、スパイスとしてあとで使える。
私たちは、サンドイッチにいれたり、果物といっしょにスムージーにして飲んでいる。好き嫌いこそあれ、イタリアンパセリよりも、香りがよく、ほうれん草のようにアクが強くない。ものすごく重宝する野菜だと思う。
ただし、猛毒をもつ毒ゼリ、学名「Cicuta virosa」英名「water hemlock」と似ているので、混同しないように注意が必要。まちがって食べて、重度の中毒をおこすケースが時々ある。地元の野草専門家に確認してから、食べることをおすすめする。
イワミツバを機に、この夏は庭の野草を調べまくって、40種以上の食べられる薬草をみつけた。「雑草」として、排他的な気持ちをおこすようにしくまれてきた思考回路が、修正されていくようだった。
新鮮で無農薬の「野菜」は、すでにまわりにたくさんあり、しかも、向こうから風や鳥にのってやってきてくれるのだった。そして今、足下の世界は、見るも楽しいものとなった。わ〜い、お菓子の森じゃないけれど、食べられる庭だ〜。