暖気がぬけたあと、水分をたっぷりふくんだ重い雪が降った。雪だるまをつくるのにはもってこいだが、雪かきをする身には‥‥こたえる。常緑樹にもべっとりとついて、そのまま凍りついてしまった。日頃は、落葉樹の葉の色の移り変わりに目がいきがちだが、松やもみ、トウヒといった針葉樹は、冬になると、その貫禄を十分にみせてくる。実に大らかで、雪をまとった姿には、どこか高貴な余裕が感じられる。その足元で暮らしている自分は、さながらホビットというところか。
「仏像」
緑の衣に 白い雪
ゆったりと しなりながら
厳寒の森にたつ針葉樹
見上げる私には
目をふせて
少し微笑んでいるお顔が見えるよう
あなた方は
彫られる前から 仏様
©Naomi Otsubo
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