消えゆく炎 その1

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冬の晴れた日の日没
地平線の下にたった今沈んでいった太陽の光を
木々の先がかすかに捉えて立っている
自分の心の中でも
こうした瞬間がいくたびかあったように思え
夕飯の支度に忙しい手を止めて
窓辺で木々をみつめる

森の精霊 ~ 晩秋

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メイン州の晩秋は短い。
太陽が地平線に沈むと 、
冬の深いコバルト色だけが、森を貫く光となる一瞬がある。
そのとき、木の幹は、
白骨のような、上っていく精霊のような
冷たい光を発する。