築地市場のマグロの競り市の様子。今週の6日を最後に、豊洲への移転が始まる。
築地市場の写真集「Tsukiji: Tokyo Fish Market Suite ~ 築地: 東京魚市場組曲」より
築地市場のマグロの競り市の様子。今週の6日を最後に、豊洲への移転が始まる。
築地市場の写真集「Tsukiji: Tokyo Fish Market Suite ~ 築地: 東京魚市場組曲」より
10月6日、築地市場は最後の日を迎える。見学ツアーも、昨日で終了した。豊洲で10月11日に再オープンするというが、この二つの市場が、心の中でまだつながらない。
私は、ラッキーだったのだろう。ピークを迎えていた1990年代の築地市場に、真夜中に入って撮影できた。あの頃は、だれでも市場内に入って、自由に見学できた。そのおかげで、築地市場の小写真集「Tsukiji: Tokyo Fish Market Suite ~ 築地: 東京魚市場組曲」を作ることができた。
夜中にマグロがトラックから引きずり降ろされ、コンクリートの床に激しく当たる音。流れる冷気、競り市の声……。
豊洲市場の雰囲気は、築地とはまたちがったものになるにちがいない。
築地よ、ありがとう。
ひとりの 日曜日に
いちめんの 雪
みつめる わたし
音のない わたし
(1989年)
この詩の英訳は、こちら。
自分の葬式
他人の葬式
死んでから
鳴いて感謝するよりも
向かい合った「ありがとう」を
私は選ぶ
(1988)
この詩の英訳はこちらの英語サイトにて
真夜中の宴会は
ただの かなしみ
目の前のタクシーは
ただの かぼちゃ
かほちゃよ かぼちゃ
今日のは 白いな
(1990)
この詩の英訳はこちらの英語サイトにて
まあ
なんて からっぽ
みごとに からっぽ
ずっと からっぽ
でも
それでいいの 私のこころよ
それが なにより
ほんとに なにより
今しばらくは
そこでおとなしく しておいで
(1988)
この詩の英訳はこちらの英語サイトにて
自分から 人に
話しかけることができた日は
どんな人も 美しく思える
大気が きらめいて見える
どうしたものか 自分よ
何もそこまで 孤独になるな
(1987)
この詩の英訳は、こちらの英語版サイトへどうぞ
天空にまします数々のお星さま
丸ければ
宇宙で うまくまわっていられますか?
それとも
まわっているうちに
あの手この手で 宇宙が
丸くしにかかってくるんですか
それとも
何でもかんでも
遠くにおいてしまえば
丸く見えてくるもんですか?
つまり
距離をおくってことですね
(1985)
この詩の英訳は、こちらの英語版サイトへどうぞ
写真の下半分にある日本庭園のように見えるのは、第3台場とも呼ばれる台場公園。今ではのどかなこの場所も、元は、江戸幕府に開国をせまったアメリカ海軍司令官ペリーとの闘いに備えて1853年に作られた砲台だった。
その向こうに見えるのは、もちろん人工島のお台場。高層ビルの間からは、海上にかけられた東京ゲートブリッジが見える。
台場公園は、今でこそ、お台場海浜公園の入り江にそって歩いていけるが、1853年当時は、浜から数キロも離れていたらしい。公園はデートスポットとして有名だが、それだけじゃない。東西南北、どの方向を見ても、この165年の間に東京湾がどれほど埋めたてられてきたかを実感できる場所でもある……。
写真集 「 Earth, Water, Fire, Wind, Emptiness: Tokyo Landscape」より。
葛西臨海公園は、開発によって破壊された自生地を保存するために東京湾に造られた人工の島にある。橋は、東京、千葉、デズニーランド、成田空港をつなぐ高速道路の一部。また、スピーカーは、津波警報を知らせるためのもの。写真は、写真集 「 Earth, Water, Fire, Wind, Emptiness: Tokyo Landscape」より。 Click on the image for a larger view.