食べられる庭 ~ クローバーの秘密

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©William Ash

今年は、庭にクローバーがものすごい勢いで広がっている。乾燥させてパンにまぜようと、花をつみながらフラフラしていると、シロツメクサのほのかに甘い香りがする。でも、この花は、大丈夫かな?

食べられる野草をみつけるときに参考にしている本は、Edible Wild Plants by Lee Aleen Petersonで、この本によれば、シロツメクサの若葉と花、種は食用になり、「葉はなまか煮て料理に、花はお茶と粉にできる」とある。確かにそうなのだが‥‥‥

シロツメクサは、組織が傷つくと、2種の遺伝子が組みあわさって、猛毒の「シアン化物(青酸)」を合成することがあるらしい。その大半は、冬が温暖な地域にあるシロツメクサで、冬が低温の地域にはあまりみられない。科学者が、なぜこうした二極化が生まれてたのかを研究中で、カタツムリなどによる食害に対する防衛のためではないかと推測している。

アメリカの野草愛好家の間でも、中毒の原因となるシロツメクサのシアン化物のことは、あまりあげていない。でも、Eat The Weeds のサイトには、しっかりと「絶対に、しおれたものや、カビのはえたもの、発酵したシロツメクサは食べないこと。必ず、新鮮なものか、完全に乾燥させたものを食べること。」などと書いてあった。どうも摂取方法、摂取量には気をつけなければいけないようだ。

つまるところ、やっぱり、カタツムリであれ、人間であり、みんなが欲ばらず、いろいろなものを、少しずつ自然からいただくことだろうか。そうしたら、冬が温暖なところのシロツメクサだって、毒を内に生まないように遺伝子を変えて、進化の方向を転換してくるかもしれない。

メイン州は冬が長く寒いから、シロツメクサは安全かもしれない。たとえそうであれ、土壌改良だけでなく、受粉に必要なマルハナバチや、ミツバチもよんでくれるシロツメクサ。もうそれだけで、十分すぎるぐらい。ありがとうね。

 

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食べられる庭 ~ ワイルドストロベリー

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© William Ash 画像をクリックすると拡大されます

毎年、最初にとれるフルーツといえば、ワイルドストロベリー(野いちご)。野生のスミレクローバーと争うように、下草として庭や野原、森に広がっている。おいしいけれど、小指の先ぐらいしかないイチゴだから、マグカップ1杯もつめばクタクタになり、あとは野生動物にゆずることになる。とくにリスが好きで、摘んでみれば、かわいく小さくかじられているということがよくある。写真のものは、撮影のために、かじられる前に植木鉢に移しておいたものだ。

今の2代目のHikariは食べないが、初代のニューファンドランド犬Kai(海)は、この野いちごが大好きだった。自分から食べることはせず、体重が80キロちかくある熊のような真っ黒な犬が、横できちんとお座りをして待っていた。そのよだれをたらした大きな口に、真っ赤で小さな野いちごを、ゆっくりと入れた瞬間の嬉しさよ。あのとき、Kaiも、笑っていたなぁ。

 

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食べられる庭 ~ たんぽぽ Part 2

edible_weeds_dandelion_2たんぽぽの花は、葉とちがって苦みがないので、いろいろな料理に使える。フリッター、てんぷら、スープ。花びらだけちぎって、パン、マフィン、ホットケーキ、ハンバーグ、スムージー、キッシュ、サラダ、オムレツ,パスタにまぜたり、ハチミツ漬け、お茶にしたりもできる。また、色鮮やかなまま冷凍したり、乾燥保存もできる。

今年は、あまりにたくさんのたんぽぽの花が咲いたので、たんぽぽワインをつくってみた。はじめての試みで、いろいろなレシピがあったが‥‥ 続きを読む

食べられる庭から〜スミレをつむ朝

edible_weeds_wild_violet_heads庭には今、野草のアメリカスミレサイシン(英名Common Blue Violet, 学名Viola sororia)の青紫と白い花が、カーペットのように咲き乱れている。花のなかにすわり、鳥の声をききながら小花を摘んでいると、しつこいぐらい長かった冬の記憶も、さすがに少しずつ遠のいていく。

種類にもよるけれど、スミレは、花と葉の薬用効果をあげたらきりがないほど、すぐれた植物のようで、その上、食用にもなる。

今年は、午前中にとった苦みのない花で、Violet honey (花のハチミツづけ)をつくった。いろいろなレシピがあるが、いちばん簡単なの方法は、洗った花をできるだけ瓶につめこんで、ハチミツをいれる。これだけ。ただ、花には水分が多いので、一晩ぐらい花を放置して、水分が少し抜けてしんなりしてからつくることをすすめているサイトもあった。また、花とハチミツの割合を、2:1というレシピもある。

いっぺんには、ハチミツが花とまざらないので、様子をみながらたしていく。ときどきかき混ぜて、すべての花がハチミツとまじるようにする。3〜6週間たったら使える。そのとき、花をこしても、入れっぱなしにしてもいい。 ただ、花からでた水分がふくまれているので、ハチミツのように常温で保存すると腐りやすいと思う。冷蔵庫、または長期保存する場合は冷凍庫での保存をすすめる。

薬用としては、やけどにぬったり、のどの痛みに、よくきくそうだ。でも、我が家の場合は、あくまで食用。つまり、これを‥‥朝のトースト!にぬって食べる。花がのったハニートースト! なんか眠気も、食い気でとぶような‥‥。

 

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食べられる庭から〜ブラックベリーパイ

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去年の夏に収穫したブラックベリーが、まだ冷凍庫にのこっていたので、パイをつくった。こうして、パイにしたり、マフィンに入れたり、スムージー、シャーベットにしたりして、食べてきた。パイも、ドライクランベリーやクリームチーズなどを混ぜたりして試したが、やっぱりブラックベリーだけのパイが、いちばん好きだ。

上のパイは、簡単に作れるのでよく作る。生または冷凍のブラックベリー(約1000ml)、ハチミツ(120ml)、レモンジュース(大きなレモン1個分)、シナモン(小さじ1)、オールスパイス(小さじ1)、コーンスターチ(大さじ3〜4)をただまぜて、底の直径23センチのパイ皿にひいたパイ地に流しこんで、200℃で40分〜50分焼くただけ。冷めたら冷蔵庫にいれる。3日目ぐらいが一番おいしい。あっさりとした味なので、アメリカ人の義父母がきたら、これにバニラアイスクリームをつけて食べる。

今年、やっとブラックベリーは芽吹いて、葉をのばしてきた。昨年のアイスストームでだいぶ枝が折れてしまったが、野生のブラックベリーの繁殖力は半端じゃない。雑草と見たら手ごわい相手。ただおいしく頂いて、感謝するのみ。

 

(追記)
この記事は、6月のにほんブログ村の「フルーツトーナメント」で優勝しました。応援してくださった方々に、心からお礼申し上げます。

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ハッピー・メーデー Happy May Day

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©William Ash クリックして拡大してご覧ください

メーデーというと、日本の場合は労働者の日となって集会やデモがおきるが、ヨーロッパでは、春どころか、なんと夏の到来を祝う祭日だ。我が家では、例年なら今頃は、庭の野生のプラムの花が咲くのだが、今年はもう少しまたないといけないようだ。皆様が、彩り豊かな花々と暖かな日差しのなかで、メーデーを迎えられますように!

食べられる庭 ~ Edible Garden 4

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食べられる野草、雑草シリーズ、前回のPart2につづいて、今回も野生のレタス。

ラテン名はLactuca biennis
俗名は、 tall blue lettuce、とか、blue wood lettuce.
北米にみられ、これも2年生で、一年目はタンポポみたいに葉が生えてくるだけだが、翌年に茎がどんどんのびてくる。2メートルを超えてくるものもある。 小花はちょっと青紫がかっていて、かわいらしいが、私の場合、背伸びをしないと見れない。

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同じ野生のレタスだが、前回のレタスにくらべて、薬草として紹介されている場合が多く、食べられると書いてあるサイトは少ない。苦いからのようだ。

私は、茎が30センチにもならない前に、「若葉だけ」をバナナやケールといっしょにスムージーにいれて飲んでいるので気にならない。今年は、地面からタンポポのように生えてきたときの若葉を、サラダや炒め物に使ってみようかと思っている。さて、どうなるか?いずれにしても、前回紹介した野生のレタスのほうが、葉は細いが食用には適しているみたいだ。

野生のレタスにはたくさんの種類があり、識別が難しい。散々調べた結果、私は、Go Botannyというニューイングランドの植物に関するサイトを参照にした。こうした野生の植物を利用する際は、専門家のアドバイスをもとめることをすすめる。

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食べられる庭 ~ Edible Garden 2

数年前の春先、家のドアの前に、タンポポがはえてきた。ところが、どんどん茎が伸びて、2メートル近くにもなった。つぼみらしきものを、たくさんつけはじめた。いったいどんな花が咲くのだろう? ひまわりよりも背の高い花なんて‥‥毎日、ワクワクして仰ぎ見ていた。

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Lactuca canadensis by William Ash

しかし、散々まったあげく、たくさんのおちょぼ口のような小さな黄色い花が、ほんのちょっとの間、咲いただけだった。がっかりしたのと、頭にきたのが重なって、種をつけはじめると、猛然と引っこ抜いた。が、証拠にもなく、今年も生えてきた。まさかと思いながらも、方向転換を試みている今年は(足下の世界#1参照)、googleしてみた。

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Lactuca canadensis by William Ash

なんと、いつも食べている、似ても似つかない野菜の大元だった‥‥レタス。

植物のラテン名は、Lactuca canadensis, 俗名はTall  LettuceとかCanada Lettuceと呼ばれている2年生の野生のレタスで、最初の年は、まさにタンポポのような顔をして年をこし、翌年に茎をのばして開花する。

市場にでまわっているレタスのほとんどが、こうした野生のレタスから生まれたハイブリッド。もちろん、このレタスも「春先の若い葉と茎(背丈30cmぐらい)」や先端の部分は、生でも煮ても、おいしく食べられるとある。花はタンポポの花のように、フリッターにしてもおしいとか。かなり小さい花なのだが‥‥。

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Lactuca canadensis by William Ash

茎はムリだが、 こわごわと葉を口にしてみれば、そんなに苦くない。生で、平気で食べられる。タンポポの若葉も食べれない自分でも、おいしくいただける。レタスの大元だけあって、元気がでるような緑の味がする。市場のスカスカのレタスが嫌いな自分には、好みの味なので、さっそく若葉はスムージーの食材の定番となった。

科学的根拠があるのかないのかは知らないが、薬草としての効能もあるらしく、全草、とくに茎を切ったらでてくる汁は、過去はもとより、現在でも神経をリラックスさせるサプリメントや、鎮痛、利尿などのために商業用に使用されている。ネイティブアメリカンは、とくにイボとり傷口に使用していたらしい。

今、メイン州の秋の気配のなか、この植物は、たくさんのタンポポのような種をつけている。風にのって種が庭のあちこちに飛んでいき、来年、発芽してくれることをなまけものの私は願っている。これといった虫もつかないこのレタス、とても便利なのだ。

野生のレタスにはたくさんの種類があり、識別が難しい。散々調べた結果、私は、Go Botannyというニューイングランドの植物に関するサイトを参照にした。こうした野生の植物を利用する際は、専門家のアドバイスをもとめることをすすめる。

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